一般女性が結婚式を挙げたい、と夢に描くのは海外のキレイなチャペルや、海の見える小高い丘の上だったりするのだろうか。友人みんなに祝福されて、キラキラ輝いている自分をイメージして。
そう考えると、残念ながら私は一般女性の枠から随分と外れてしまうのかもしれない。
叶うことなら、私はチョコレート工場で結婚式を挙げてみたい、と思っていた。どうしてか、というとそれほどにチョコレートが大好きだからだ。そして、どうせチョコレート工場で行うからには、結婚式で交換する指輪も、特殊コーティングを施したチョコレート製の指輪にしてみたいし、その後の披露宴で振舞う料理もチョコレートを使用したちょっと変わったコースにし、ウエディングケーキや、引き出物もチョコレートにまつわるものに統一したい。私の大好きなチョコレートに囲まれて、甘い結婚生活のスタートを切るのだ。
だが、きっとそれは私だけの夢であろう。新郎は私が言いくるめるのでいいとしても、招待客は甘い物好きとは限らず、もし甘い物好きだったとしても全てがチョコレート関係だったら、その甘い香りに酔ってしまい、結婚式及び披露宴に出席したことを悔やむ者も多数いるかもしれない。
チョコレートだけに、その結婚式がもとで、これまで築いてきた人間関係がドロドロに溶けてしまう危険性もある。
そう思うと、やはりチョコレート工場での結婚式及びチョコレート尽くしの披露宴は永遠の夢、で終わってしまうのであった。